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あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市。
またそのなかでいっしょになったたくさんのひとたち、ファゼーロとロザーロ、羊飼のミーロや、顔の赤いこどもたち。
あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市。
郊外のぎらぎらひかる草の波。またそのなかでいっしょになったたくさんのひとたち。
ファゼーロとロザーロ、羊飼のミーロや、顔の赤いこどもたち、地主のテーモ、山猫博士のボーガント。
デストゥパーゴなど、いまこの暗い巨きな石の建物のなかで考えていると、みんなむかし風のなつかしい青い幻燈のように思われます。
そのなかでいっしょになったたくさんのひとたちは、いまでもわたくしのなかに生きています。
わたくしはそのときの記憶をたどりながら、この物語をきれぎれに書きつけました。
けれどもそれはいまはもう、青い幻燈のようにしか思い出せないのです。
うつくしい森で飾られたモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波。
夏でも底に冷たさをもつ青いそらのことを、わたくしはいまでもよく思い出します。
羊飼のミーロや、顔の赤いこどもたちのことも、同じようによく思い出します。
いまこの暗い巨きな石の建物のなかで考えていると、みんなむかし風のなつかしい幻燈のようです。
この物語をきれぎれに書きつけたのは、そのころのことをわすれないためでした。
あのイーハトーヴォのすきとおった風のことを、いまでもときどき思い出します。